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翻訳者の受難(III)-翻訳者の鏡?

さて、その後、お尻の痛みは続いた。MRIでも骨折や重度ヘルニア等の明瞭なサインがなかったため、一応整形外科の通院はお休みすることとした。そして、整骨院/整体院探しを始めたわけである。

ちなみに、翻訳の仕事というのは、文芸作品(出版系)などを訳するのでない限り、文章の表現に悩む時間はさほど多くない。長くこの仕事を続けた人なら、和文や英文の文章自体を書くことはそんなに難しくないだろう。私は以前出版系の仕事もしていた。そのときは、類語辞典などもチェックし、文体や言葉のニュアンスまでこだわっていたが、今は国語辞書を開いて考え込むことはほとんどなくなった。

その代わりに仕事の大半を占めるのが調べ物である。専門分野を区切るほどの余裕がないので、来た仕事に合わせて、やや付焼刃的にその分野の概要をつかむ。そして、知らない用語が出てくれば、ざざっと他文献を当たる。インターネットというツールがない時代では私は翻訳者としての仕事ができなかったであろう。付焼刃と言っても誤った情報をアウトプットすることはできないため、裏取りは必ずする。モノによっては、慣れない分野であれば、文を書くよりも調べ物の時間が2倍、3倍とかかる。

したがって、リサーチ好きでない人またリサーチの勘が悪い人、知らないことへの好奇心のない人、面倒臭がり(調べるということに関して)な人、文献やサイトを読むのが極度に遅い人、は、あくまで個人的な意見だが、翻訳者にあまり向いていないような気がする。

やっと、本題に戻る。つまり、ある疾患にかかった場合も、職業柄か調べずにはいられないのである。ものすごくアバウトで、悩んだはいいが一晩寝たら忘れていたこともけっこうあるB型の私だけれど、細かいところは細かい。パニック障害にかかったときもその手の本を読みあさり買い求めたせいで、心理障害にはまずまず詳しくなった。で、今は腰痛や坐骨神経痛、臀部の痛みに少しづつ詳しくなってきた(笑)。

「癌にでもなったら、えらい騒ぎだろうな」
とだんなさんは言う。

確かにセカンドオピニオンだけでなく、サード、フォース・・・と進み、付焼刃の知識を医者に投げかける困った患者になるかもしれない。いや意外と開き直ってお任せの態度を取る気もする。

相変わらず前置きが長い。我慢してもう少しお付き合いを。そして、腰痛系の治療も諸説ある。本当にどれが正しいのかは、もう勘と運でしかないように思えてくる。「坐骨神経痛とはそもそも存在しないのだ」、「牽引は百害あって一利なし」と唱える治療士もいる。「最低100万円儲かるアフィリエイト」、「馬鹿でもできるFX」のような宣伝メールはしょっちゅう来るし、サイトにもあふれているが、病気関係も金儲けと同じくらい宣伝が多く、苦しんでいる人は藁をもつかむ気持ちで、腰痛体操のダウンロードに数万円を投じることもあるだろう。

坐骨神経痛に苦しむ友人のMちゃんが、「9割の腰痛を治す」と謳った整骨院が大阪市内にあると言ってきた。それが1回15,000円(!)かかるというのだ。ほぼ3回で治るというがそれでも4,5万は用意せねばなるまい。KYOちゃんが先に試してくれ、というのだが、それなら秋物のバッグの方が欲しい。しかも即座には信用し難い。そこで、その整骨院のサイトをじっくり読みこみ、論理的には同様であろうと思われる説を唱える整体院を発見した。不思議とそこの整体院も90%の腰痛患者が治ったとある。金額的にはほぼ半額。

治る、治らないはさておき(そこ重要でしょ!)、その院長の言う痛みの理論に非常に興味が出てきた。私は治療に関しては、スピリチュアル的なものをあまり信用していないので、物理的裏付けが表面上でもないと納得しない。「気」で治す系は信じない。上記理論を私の人体で実験してみたくなったのである。最近、医療機器の翻訳もぽつぽつ始めたので、医療関係の辞書や本も大分増えてきた(医薬翻訳やりたいなぁ、無理だろうなぁ、これから勉強を始めたら4,5年はかかるなぁ、呟き)。人体って本当に不思議の塊。

そして、東京にも分院があり、全国から患者が通うという(同院HPより)整体院に早速予約を入れて行ってきた。恐ろしく前置きが長くなったので、この続きは次回に。誰が読みたがるだろうか(汗)。


*整骨院や整体院の名前はあえて伏しております。

追記:



上記の本で一躍有名になった尊敬したやまない通訳者/翻訳者/小説家/エッセイストの故米原真理さんは、卵巣がんで亡くなったが、その闘病記を冷静かつユーモラスにつづっている。私が何か大病にかかったら、その顛末を同じようにブログに残していきたいと思っている。そんな余裕があるかしら。

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私とヤ○ザとの関係-眠らない街、新宿

適当なタイトルで誠に失礼。

ニュースステーションを見ていたらシンスケ氏引退の文字踊る。さすがにちょっと驚く。今朝のテレビはどの局もこの報道ばかり。だけどフジテレビデモ(こちらは完全スルーだった)と同様、出演者全員およびその他芸能人たちの歯切れが悪い。それはまあそうだろう。天に唾するようなもので、下手なところをつつけば自分の身に降りかかってくる人々もいるだろう。テレビで語られることなど真実のほんの欠片。そんなことは箱のこっち側はみんな知っているのだけれど。

個人的には端々に「俺ステキやん」という言葉が透けて見えるところが大層苦手だったのでちょっとホッとしている。会見もその真骨頂だった。ファンの方にはごめんなさい。話術の才能という点では恐るべき人物だったことは確かだ。

さて、ご存知かと思うが、大阪では切断死体の入った一斗缶事件が話題になっている。このところ勝手に(笑)夏休みを先取りしただんなさんがノワのお散歩をしてくれている。ちなみに主夫になりたいという彼だから、掃除洗濯買物も買って出て、非常に快適な日々なのである。散歩中、駐車場でノワがいきなり興奮し、離れなくなったらしい。

「一斗缶でも置かれてなかった?」

と聞いてみた。数ヶ月置きっぱなしだった一斗缶に、散歩中の犬も興味を示していたそうだ。まさか頭部が入っていたとはね。

ヤクザのヤの字ともかかわりのない堅気の世界を歩いてきた私だが、小説ではラブロマンスを愛する一方、実はヤクザ物も大好きなのである。

お勧めは、やはり映画化もされた馳 星周氏の「不夜城」。「夜光虫」もしびれる。



新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。バンコク・マニラ、香港、そして新宿―。アジアの大歓楽街に成長した歌舞伎町で、迎合と裏切りを繰り返す男と女。見えない派閥と差別のなかで、アンダーグラウンドでしか生きられない人間たちを綴った衝撃のクライム・ノベル。
 



そして、馳氏の小説ほどエグくなく、絶妙なバイオレンス加減で大ファンなのが大沢 在昌氏の「新宿鮫」シリーズ。



ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。歌舞伎町を中心に、警官が連続して射殺された。犯人逮捕に躍起になる署員たちをよそに、鮫島は銃密造の天才・木津を執拗に追う。待ち受ける巧妙な罠!絶体絶命の鮫島…。登場人物の圧倒的な個性と最後まで息をつかせぬ緊迫感!超人気シリーズの輝ける第1作。

新宿鮫ももう10作まで来たのだ。鮫が死ぬまで最後まで追いかけるつもり。

東京の人が浪速の某地区にある種の印象を抱くように、私も東京の新宿/歌舞伎町にある種の憧れ?のようなものを感じている。香港マフィアや鮫島に出会わないかと。

ヤのつく人々とのかかわりは小説や映画の中で十分だよね。

翻訳者の受難(II)-結果やいかに

お待たせしました(?)。MRI体験記、アップしたいと思います。

MRIが撮影できる総合病院までは自転車で5,6分。

「駅も近いですし、病院が近くにたくさんありますし、ご年配の方々には大人気で戸建てを手放して購入されてますよ」

と喧嘩売ってるの?(笑)のように何回も繰り返すデベロッパーの営業トークに、当時は少々おかんむりだった私だが、確かにこの辺りは病院が充実している気がします。大病にでもなれば阪大病院もすぐ近く。営業マンの文句もなるほどと思うこのごろです。


パニック障害は今のところ寛解したような様子ですが、狭い中に閉じ込められて身動きしてはならないという状況はやはり得意ではありません。カプセルの中で爆音が響くという情報を聞きつけ緊張して放射線室に入りました。でも、私の想像していたカプセルとは違い、足元は開放されており、それほどの閉塞感はありません。

数分後、技師さんがいきなり入ってきました。

「ブラジャーなさってませんか?」

そう、緊張していたのか、アクセサリーに気を取られ、ブラジャーを外すのを忘れていたのです。金属を身に着けていれば全く画像が映らなくなるそうです。

ちなみに、一時期アートメイク(私は眉)はMRIができないという噂が流れていましたが、アートメイクで問題があった事例はこの病院ではないそうです。コンタクトも外すようには言われませんでした。ディファインなどのようなカラーコンタクトは外した方がいいと思います。アイシャドウは鉄分が入っている場合があるのでスッピンでとのこと。アートメークはさておき刺青は一応禁忌。大きさにもよるのでしょうが、ベッカムのように全身大きく入れている人は無理でしょう。腰程度ならまだしも、脳の疾患の診断にはMRIが欠かせないと思うので、もしも刺青を検討中の方はじっくり考え直してはいかがでしょうか。将来どのような病気にかかるやもしれません。

心配の爆音もさほどではありませんでした。20分間爆音(工事現場の掘削音のよう)が鳴り響き続けるわけではなく、インターバルを置いて長くて1分程度。あとはラップ音が続き、気持ちが落ち着くような音楽もかかっています。度胸のある方は意外と眠れるのでは?


MRI.jpg

後日、いただいたCDRを持って整形外科に行ってきました。

想像通り(笑)、画像上では確実にヘルニアや坐骨神経痛とは診断できないそうです。異常としては第1および第2頸椎間辺りに髄核の多少の膨張が見られる程度でした。この膨張が神経を押して太もも前辺りが痛む場合もあるそうです。とりあえず牽引療法を勧められました。

しかし、自分の背中や腰やお尻の骨&筋肉&神経を見るのってなかなか楽しいです。我ながら意外と綺麗な背骨のカーブと見入ってしまったりもしました。

今後の予定としては、

・毎日のお風呂あがりのストレッチ
・ジムで最低週2回のヨガORピラティス
・マシンでの腹筋&背筋の筋トレ


できれば、
・鍼(実は大好き!膝は鍼で治しました)
・評判の良い整体院探し
・ジムのパーソナルトレーナーに効果的なストレッチと運動を習う


を実行して、2011年後半は完治への道を進みたいと思っております。ご存知通り、「不言実行」を全く体現できない人間であります故、有言実行路線で。


追記:
専門家ではないので正確を期していません。その点ご容赦&ご注意ください。

入れ墨がMRIで禁忌であるのは、刺青に含まれる金属成分(磁性体)に反応するせいだと思われます。では上にベッカムを挙げたように、tattooを入れた方が多い欧米ではMRIが問題視されているかというと、そうではなさそうです。これは日本の刺青(和彫り)とtattooのインク成分の差が原因かもしれません。和彫りに見られる鮮やかな赤や青は酸化鉄やコバルトなどを使っているのでしょうか?

アートメイクに金属成分が含まれるとしてもごくごく微量だと思われるので問題がないのでしょう。気になる方は彫り師などに顔料の成分を確認しておけばいいと思います。なお、ペースメーカー等の医療器具は年々進歩し、MRIが可能な材料の開発も進んでいるそうです。膝等にメタルを埋め込んでいる人も多いと思います。MRIは疾患の発見に非常に有効な機器だと思うので、その点がもっと進化すれば、そしてもっと楽なMRIの検査方法が生まれればよいのにと願います。

今回のMRIの料金は3割負担で約7200円でした。

ちなみに、頭痛持ちの私はどうせなら脳のMRIも一緒に撮ってほしかったのですが無理でした。数年前に頭痛外来で脳のCTは撮影したことがあります。もしや委縮していたら!と戦々恐々だったのですけれど、なかなかしっかり詰まった良い脳だと褒められました(笑)。MRIでじっくり調べれば、方向感覚の脳細胞が欠如していることが分かることなどないのでしょうか。脳ドック興味大有りです。


翻訳者の受難(I)-始まりはお尻から

痔ではありません。


皆様、お盆休みを満喫中ですか?我が家は私もだんなさんもカレンダー通りに働いております。渋滞よりはましでしょう。


さて、30代もしくは40代以上の専業翻訳者の方々で、「腰痛」、「眼精疲労」、「肩こり」のいずれにも無縁だという人は残念ながらあまり聞いたことがない。いや、全く無縁だ、という人がいれば、週5日、毎日7時間はPCの前にはりついているかい?(大半の専業翻訳者はそれには収まるまい)と尋ねてみたい。そして、それ以外のライフスタイルも。

昔ダンスをやっていたせいで、結構姿勢を褒められることが多い。PCを打つ姿勢も割と良いような気がする。ジム通いも一応続けている。フリーランスなので、気が向いた時には体操したり散歩したりして同じ姿勢を続けないように気をつけている。目と姿勢のためにノートパソコンは極力使用しない。8時以降の残業も極力避ける。

でも、そんなことではやっぱり足りない。肩こりはいつものことだが、去年の年末くらいからRUNをし終わった後、嫌ぁな感覚がお尻に残るようになった。梅雨を越し、夏に入り、その鈍痛が翌日も消えなくなった。友人のMちゃんが、

「片足が痺れるんだよね」

というのをちょくちょく聞いていたけれど、左から右の耳に聞き流していたような気がする。

痺れはないものの、右のお尻のみが痛み、ある日ついには太もも辺りまでピリピリが進んだ。

これって、もしや坐骨神経痛?

ネットで調べてみても40代以上の座業の女性に多いという。こじらせると痛みが進み、歩行障害に至るという恐ろしいことまで書いてある。(両方の意味で)やっと重い腰を上げ、早速近所の良さそうな整形外科を探し出した(病院レパートリーが増えた(笑))。ジム友が多い分、整形外科や整骨院/整体なんかの情報は入る。

まずレントゲンを撮られた。幸運なことに骨に異常はなく、股関節も背骨もいたく綺麗らしい。まあレントゲンで異常が見つかるようではそこそこ重症だろう。一応、シップと消炎鎮痛剤とビタミンB錠を1週間分もらい様子を見ることにした。さすがにサロンパスなどよりも経皮吸収型の湿布は効くね。

そして1週間後、半年くらいの痛みはそう簡単には消えなかった。この整形外科には附属のリハビリ室もあって、そこでマッサージを受けられるのだが、マッサージ師曰く、脚よりもこの腰の硬さが気になるな。確かに腰にも爆弾を抱えている。

そこで、医師からMRIを勧められた。そんな大げさな、と思わぬでもないが、レントゲンと違いMRIは椎体、椎間板、硬膜管と神経根、血管などの鮮明な画像が得られる。つまり、神経まで映るというのだ。物は試し、一応撮っておくかな。

ちなみに、万田久子さんの内縁の夫のお通夜の様子をTVで観た。腰が痛いと言って今年の3月に検査をしたが異常が見つからず、その後スキルス性胃がんが発見されたときは余命1カ月と診断されたそうだ(早&怖)。他にも身近な癌患者の話を聞くと、腰や背中の痛みから始まったという人が少なくない。腰痛侮るなかれ。

で、あっという間にMRIの予約を取る羽目となった。パニの後遺症か、閉所に長く閉じ込められるのは少々恐怖でもある。多分MRIでも異常は発見されないという予感がするけれど、安心料ということで。

このところ、毎晩お風呂あがりはストレッチタイム。ヨガマットを引いて、ヨガやピラティスで習ったポーズを何個か復習している。柔軟性と筋力をもっとつけねば。

UPDOG
ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ(上向き犬のポーズ)

ハルアーサナ
ハル・アーサナ(鋤(すき)のポーズ)

は必須だよね。もちろんノワも一緒。


PS.お盆明けにはMRI体験記をアップ予定。


BILLBOARD OSAKA-あの日の私たち

熱波の中、昨夜は会社帰りのだんなさんと待ち合わせてデート。

ブルーノートから変わって何と初めて「ビルボード大阪」に。ライブは本当に久々だ。

17日のリック・スプリングスティーンと迷ったのだけれど、結局はエア・サプライ(AIR SUPPLY)に決めた。


エアサプライ


ご存知の方はご存じだろうが、私とだんなさんは大学生時代からの付き合い。それから紆余曲折あって今があるわけだけど、そんなことは誰も興味がなかろう。さて、その頃のデートというのは今と違ってドライブが定番だった。私は「エア・サプライ」のような甘い曲はさほど好きというわけでもなかったし、ロックが好きだったはずの彼もそんなに趣味なバンドではなかったと思うのだが、なぜか車や訪れた一人暮らしの部屋でしょっちゅう聞かされた。今思うと、かなりロマンチックな人だよね。

エア・サプライの歌詞はほとんどI LOVE YOUの繰り返しで大して中身はない(笑)。でもあの澄み切った高音と優しいメロディーラインは今CDを聞いてもやっぱり素敵だ。80年代って名曲が本当に多い。


この日のビルボードは40代、50代の男女でいっぱい。平均年齢高め。

2人が登場。ひそかに心配していたあのハイトーンボイスは健在だ。そりゃあもう2人とも還暦だもの。高音は苦しそうで、ステップを踏む脚はいささか千鳥足気味だけれど、そんなことはもはやどうでもいい。ラッセルは会場をすべて回り、一人一人に握手して回ってくれた。ちなみに現バンドメンバーは最高だ。ドラマーのソロは聴きごたえがある。

「ロスト・イン・ラブ」、「シーサイド・ラブ」、「さよならロンリー・ラブ」、「渚の誓い」...世界で4000万枚以上のアルバムセールを上げた彼らの曲は、20年以上経っても口ずさめる。会場で合唱が起きる。懐かしいよ、ピチピチ(爆)だった夏の私。音楽って耳や脳だけではない、身体に染み込むものなのだ。


「3曲くらいしか分かんないんだけど」と彼。

なんだ、それ。あんなに聴かされたじゃないか。ま、いいか。今仕事中のBGMはもちろんエア・サプライのベスト。


ライブ終了。余韻に浸る間もなく、2軒目へと急ぐ。その訳は次に続く→



恒川 光太郎著「夜市」と「秋の牢獄」-異世界に迷い込み

ご存知の通り、本も映画もミステリーやサスペンス、ホラーが大好きである。ただ残念ながら、このジャンルで自分の趣味に合う作家を探すことは難しい。ここから述べるのはあくまで個人的意見である。

トリックだけに重点を置いた推理小説は苦手。たとえば、ページの最初に館の地図がついており、それを確認しながら進めるような小説。元々地理的感覚に弱いため、そう言うのを読み取るのが面倒なのだ。そのトリックが格別秀逸ならば別だが、トリック(謎解き)のみに感動することはあんまりない。

設定のみがサスペンスであるが、リアリティもなく、人間描写も稚拙な、まるでTVゲームを見ているような小説。奥行きがないので全く想像力をかきたてられない。

新しい作家を開拓するときは、人のお勧めや受賞作を参考にして選ぶが、これがほとんど役に立たない。少し前に、「日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作、選考委員満場一致」の触れ込みにつられて読んだ某書。デビュー作?なら仕方ないのかーと思うけれど、斬新な設定、圧倒的な構成力ってそれは言い過ぎ。最初の設定はまずまず面白かったものの、ラストに向かうにつれ尻切れトンボで、作者の目指そうとした世界感も独りよがりというかラノベ臭い(辛口)。期待が大きかった分、ガッカリ度も大きかった。

しかし、「第12回日本ホラー小説大賞受賞作」 恒川 光太郎の「夜市」は素晴らしい作品だった。ちなみに、この日本ホラー大賞受賞作には、瀬名秀明の「パラサイト・イヴ」、貴志祐介の「黒い家」、岩井 志麻子の「ぼっけぇ、きょうてぇ」など秀作が多い。



この作家のデビュー作である。だが、このホラーとファンタジーとが見事に溶け合った作品の完成度は相当に高い。怖いというより物悲しい。この作家は寡作で、まだ3冊しか発表していない。「夜市」もよいけれど、私は最新作の短編集「秋の牢獄」の中の「秋の牢獄」がとても好き。ちょっと前にリプレイもの(タイムスリップや何度も人生を繰り返す)をまとめて紹介したが、これもその中に入る。しかし、何と言っていいのか、こういう切り口を読むのは私は初めてだった。



恒川氏の小説はいずれも読むうちに鮮やかに情景が浮かび上がっていく、そして、読んだ後、不思議な余韻が残る。この「余韻」が残るかどうかが、私は小説の質を決定する大きな要因だと考えている。それは物によって、ものすごい感動であったり、重苦しい印象であったり、爽やかで涼やかな香りだったりするのだけれど。

好みが分かれる作家ではあると思うが、私は超お勧め。次作を心待ちにしている。




プロフィール

mskyoko

Author:mskyoko
夫と私とトイプードルのノワールとのミニマムな家族。

アラフィフ夫婦の生活もワンコがやってきて大きく変化しました。

想像したよりも50代の生活はずっと楽しいかも。

ワンコを連れて旅行三昧のセカンドライフははたして実現するかしら?

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